15歳のニュース 泣きやまない赤ちゃん どうやって寝かしつけ？ 科学的に解明 - 毎日新聞

　なかなか泣きやまない赤ちゃんは、育児中の大きなストレスとなり、親たちが試行（しこう）錯誤（さくご）を重ねてきた。そんな赤ちゃんたちをうまく寝（ね）かしつける方法を科学的に明らかにしたと、理化学研究所などの国際チームが発表した。9月14日付の米科学誌カレントバイオロジー（電子版）に掲載（けいさい）された。

　赤ちゃんは抱（だ）っこされて歩くと、泣きやんでリラックスすることが知られている。チームはこの仕組みを解明し、2013年に発表した。しかし、いったん寝付（ねつ）いた赤ちゃんが再び目を覚まして泣き出すこともあり、より確実な方法を調べていた。

座って休んで

　チームは、日本やイタリアなど複数の国籍（こくせき）や人種で生後7カ月以下の赤ちゃんと、その母親の21組を被験者（ひけんじゃ）にした。激しく泣く赤ちゃんを、抱っこして歩く▽抱っこして座る▽ベッドに置く▽ベビーカーで揺（ゆ）らす――の4行動を約30秒ごとにランダムに組み合わせ、心拍数（しんぱくすう）や泣く様子を調べた。

　その結果、「抱っこして5分歩き、座って5～8分待ち、その後にベッドに置く」という方法が最も効果的に寝ついた。赤ちゃんは眠（ねむ）っていても親から体が離（はな）れると気づいてしまうため、泣きやませた後で親が座って休むことで、深い眠りにつかせられるという。

アプリや装置の開発へ

　チームは今回の成果を基に、赤ちゃんの状態を予測し育児行動をアドバイスするアプリや装置などの開発に取り組む。

　チームの黒田（くろだ）公美（くみ）・理研チームリーダーは、自分の2人の子と実験に加わった。赤ちゃんを体に密着させ、平らな場所を一定の速度で歩くのがコツだと感じたという。「育児という身近なことでも、自身の経験だけでは分からないこともある。それを科学的に定量化することがサポートにつながる」と話した。

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