発売前のテストプレイが爆発的な人気を博していたものの、その後はとある疑惑が浮上しSteamからも削除されていたダンジョン探索ゲーム『Dark and Darker』。開発元のIRONMACEは、突如としてオンラインストア「Chaf Games」にて本作のストアページを公開した。価格はスタンダード版が35ドル、特別エディションが50ドルとなっている。
なお記事執筆時点ではまだ購入することはできないが、販売が開始されても以下の経緯を十分に考慮してから検討することをオススメしたい。
本作は2023年の第4四半期を目指して開発が進められていたタイトル。ダンジョンを最大3人のパーティで探索し、生還できればアイテムを持ち帰ることができるが死ねば全ロストという、『Escape from Tarkov』に似たシビアなゲームルールが注目され話題となった。
2022年に開催された第3回目のアルファテストでは、その中毒性の高いゲームプレイで国内外の多くのゲーマーや配信者から注目を集める。当時のテスター参加者は100万人を突破、同時接続者数は6万人を超えていたという。
しかし今年3月、韓国ネクソンが同社でかつて働いてたIROMANCE開発者がコードとアセットを流用したとして訴えていることが明らかになり、韓国警察による家宅捜索も行われる事態となった。
IROMANCEは事実とは異なるとして徹底抗戦の姿勢を堅持。4月にはゲームがSteamから削除されたが、Torrentでゲームを共有するなどさまざまな手段を駆使してゲームを展開し、YouTubeにも新キャラクターの映像をアップするなど開発を続けていた。
Chaf Gamesは筆者も含めて、多くの読者が聞いたことがなかったストアだと思われる。月額サブスクリプションでインディーゲームを中心に提供しているストアで、対象タイトルにはTeam 17の『Blasphemous』や、Curve Gamesの『For The King』および『I Am Fish』といった有名タイトルも並んでいる。
投資家向けの情報を提供するピッチブックに掲載された情報によれば、会社は2022年に設立されており、韓国ソウルに本社があって社員数は5名とのこと。また『Dark and Darker』の公式Discordサーバーでは、開発者が全体チャットでChaf Gamesがパートナーであると公言しており、両社がしっかりと契約を結んで今回の販売に至ったのだと考えられる。
なお『Dark and Darker』の情報を発信し『Escape from Tarkov』もプレイするストリーマーのOnepeg氏(登録者数10万人)は、IROMANCEのCEOからダイレクトメッセージで連絡を受け取り、本作がオフィシャルに本日発売されると聞いたとするリポート動画を投稿している。本当だとすればあまりに急な展開すぎるだろう。
とはいえ前述したとおり、記事執筆時点で韓国ネクソンとの訴訟問題が解決したとの大々的な発表は日本語圏・英語圏で確認できない。発売と同時に和解が公表されるなどしない限り、本作を購入してもはたしてプレイし続けられるのかは、よくよく検討した方がよいだろう。多くのプレイヤーが熱中した人気作が、疑惑を晴らして戻ってくることに期待したい。
2023-08-07 16:36:00Z
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