世界初、政府機関による推薦図書にテレビゲームが入りました。
2014年にポーランドのゲーム会社11 bit studiosから発売された『This War of Mine』が、同国の国民教育省により学生向けの推薦図書リストに加わった、とAUTOMATONが伝えています。
本来であれば、教科書や記録映像などで学ぶであろう戦争の歴史ですが、インタラクティヴにプレイヤーが操作できるテレビゲームでも、その理解の一助となりうると認められたのですね。
まずは『This War of Mine』のトレイラーをどうぞ。
舞台はサラエヴォ包囲
ゲームの内容は、1992年に始まったボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で発生し、1996年まで続いたサラエヴォ包囲を題材にしたもの。当時は1万2,000人が死亡し、5万人が負傷した内、85%が民間人だったことを踏まえ、プレイヤーは兵士ではなくボスニアの一般市民となっています。その包囲網の中で敵に見つからないよう身を潜め、明日を生き残るという歴史上の紛争を追体験します。
なぜゲームが推薦されたのか
推薦図書というと本のことを指しますが、ゲームはプレイヤーが擬似的に当時の状況を体験できることから、いわば新しい言語のようなものと見なされ、推薦図書のリストに載ることとなりました。教科書や手記といった紙媒体および、音声や映像として記録された資料などと同様に、テレビゲームが歴史を振り返るメディアとして認可されたわけですね。
とはいえ、実はこの動きには政治経済面での事情も少し絡んでいる様子。 NFPでは、同国の作家アンドレイ・サプコフスキが書いた小説『ウィッチャー』シリーズが大ヒットゲームとなり、Netflixドラマは最高視聴者数を記録(アニメ化も決定)。相乗効果で書籍がAmazonでベストセラーに。ゲームを開発したCD Projekt社が上場し、ワルシャワ証券取引所ではヨーロッパでもっとも価値のあるビデオゲーム会社になったことも関係しているのではないかとしています。
Poland's CD Projekt has become the most valuable video game firm in Europe. Its valuation has risen to $8.13 billion, overtaking @Ubisoft.
CD Projekt's much-anticipated @CyberpunkGame is due later this year, after which it will work on a new @witchergamehttps://t.co/2e6HKz1nRw
— Notes from Poland 🇵🇱 (@notesfrompoland) May 20, 2020
これについては、マテウシュ・モラヴィエツキ首相も「テレビゲームはポーランドを世界的に有名にする優れたクリエイティブ産業だ」と認めているところで、ゲームが国のドル箱となるメディアに成長したからという側面もあるのかもしれません。
18歳以上なら高校で無料プレイ可能
『This War of Mine』のレーティングは18歳以上となっており、推薦図書だとしてもそれを守らねばいけません。しかしながら、本作はポーランド内の高校すべてで無料プレイができるようになります。
『This War of Mine』はEPIC GAMESとSTEAMにて1,980円、 App Storeでは610円、Google Playでは520円となっています。ニンテンドースイッチでも遊べるので、興味を持った方はいかがでしょうか?
Source: YouTube (1, 2, 3), NFP, Twitter, The Hollywood Reporter, STEAM, EPIC GAMES, App Store, Google Play via AUTOMATON
Reference: Wikipedia
2020-07-05 02:00:00Z
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiVGh0dHBzOi8vd3d3Lmdpem1vZG8uanAvMjAyMC8wNy9wb2xhbmQtcHV0cy1jb21wdXRlci1nYW1lLWluLXNjaG9vbC1yZWFkaW5nLWxpc3QuaHRtbNIBWGh0dHBzOi8vd3d3Lmdpem1vZG8uanAvYW1wLzIwMjAvMDcvcG9sYW5kLXB1dHMtY29tcHV0ZXItZ2FtZS1pbi1zY2hvb2wtcmVhZGluZy1saXN0Lmh0bWw?oc=5
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