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Thursday, August 20, 2020

君、最近休みをとったのはいつだね? - 日経ビジネス電子版

全5899文字

 夏休みを含めて4週連続でお休みをとりました。
 なので、当欄への登場は約一ヶ月ぶりということになる。
 これほど長い間原稿を書く作業から遠ざかったのは、久しぶりのことだ。
休みについては、読者の皆様の中にも、新型コロナウイルス騒動がはじまってからこっち、不本意ながらの休業や、余儀ない形での自宅待機も含めて、あらためて考える機会を持った方も少なくないはずだ。
 そこで、今回は、仕事と休養についてあれこれ思うところを書いておくことにする。

 このたびのコロナ禍は、政府ならびに労使双方の団体が企図していた「働き方改革」を、強力に推し進める触媒になるはずだ。コロナの影響にポジティブな面があるのだとしたら、おそらくその点だけだろう。
 われわれは、予期せぬなりゆきで、自分たちの働きぶりと休み方について、あらためて自省する機会を与えられている。別の言い方をすれば、走っている時には決して思い浮かべることのできないタイプのアイディアを、結実させるための時間を獲得したわけだ。
 こじつけに聞こえるかもしれないが、その点を気に病む必要はない。アイディアというのは、そもそもこじつけなのだ。

 まず私自身の話をする。
 私は、元来、忙しい男ではない。
 レギュラーの働き方からすると、執筆に充てる日は、週のうちの3日ほどに限られる。残りの日はぶらぶらしている。
 このスケジュールは、30年来変わっていない。
 20代の一番忙しかった頃は、主に税金を支払うために設立していた会社を回すために、ひと夏泊まり込みで働いたこともあったが、それ以外では、週に4日以上働いた経験は持っていないと申し上げて良いかと思う。

 毎度残念に思うのは、他人にこの話(働くのは週に3日ですねというお話)をすると、ほぼ必ず
 「良いご身分ですね」
 という感じの反応が返ってくることだ。
 なんというのか、自慢話をカマしたと思われてしまうらしいのだ。
 なるほど。

 なので、そういう人たちに向けては、あらためて、
 「でもまあ、フリーランスの仕事には、休みなんてありませんよ」
 という方向の話し方で軌道修正をすることにしている。
 これも、言葉どおりの意味ではないものの、あながちウソでもない。
 執筆日のみを働いた日として算入すると、たしかに労働に充てる日は週に3日ということになる。しかし、あれこれと原稿のネタを考える作業もまた原稿執筆には不可欠な時間であることを考慮に入れれば、完全な休養日は一年のうちに何日もないという計算の仕方も可能になる。

 要するに「働く」という言葉の定義次第で、勤務日なり休日なりの日数は、かなり大幅に変わってしまうということだ。

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