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Saturday, January 7, 2023

人工ダウン「プリマロフト」の“ふとん”を買ってみた 暖かい - Impress Watch

2年半ほど前に引っ越しをした際、ベッドやふとんなど寝具一式も買い替えました。掛け布団は大手の家具店で買った15,000円程度の羽毛布団だったのですが、3回目の冬を迎えるにあたり、自分の環境で使っている場合の不満点も見えてきていたので、思い切って“人工ダウン”の布団に買い替えてみました。ダブルサイズで価格は33,000円、Amazon.co.jpで9,240ポイント(28%)の還元がありました。

今回買ってみたのは、中身に「プリマロフト」という化学繊維を使った掛け布団「プリマロフト使用 デュオ」(ディーブレス製)です。デュオというのは薄手と厚手の2枚の布団をボタンでくっつけて重ね合わせられるタイプで、取り外すことで保温性能を調節して1年中使えるという商品です。ラインナップにはほかに、分離できない厚手の2層式で冬用の商品などもあります。

薄手と厚手、2枚の布団を組み合わせます

「プリマロフト」は断熱綿とも人工羽毛とも呼ばれる分野でブランド化されている化繊です。羽毛の代替素材として、1980年代に米軍の要請を受け民間(現在はプリマロフトとして独立)で開発された素材で、米軍の寒冷地向けの防寒服に採用されてきた実績があります。1990年代に入るとL.L.Beanやザ・ノース・フェイスなどアウトドアウェアの有名ブランドが一部のウェアに採用しはじめ、素材は現在も進化していることから、ダウンを超える機能を持つ素材として提案されています。

こうした経緯があるので、プリマロフトはアウトドアウェアで採用されているケースが有名だと思います。また現在ではリサイクル素材の使用や動物性でないことを含めて、性能以外の部分でも注目が集まっています。

米軍がダウンの代替素材として開発を依頼したこともあり、プリマロフトは羽毛の弱点を解決している点がまず特徴として挙げられます。羽毛は湿気を吸いやすく、布団においてはそのことを吸湿性があると表現する場合もありますが、湿気を含んだままだと本来の保温性能を発揮できないという弱点があります。

中身の偏りを防ぐために“部屋”を小分けにする必要があり、羽毛に偏りが出ると保温性能にも偏りが出ます。プリマロフトにも偏りは出ますが、羽毛より出にくくなっています。

また、隔壁のための縫い目の部分は保温性能が落ちるため、多層にしたりキルティング構造を工夫したりする必要があります。これについては化繊の人工羽毛でも同様で、2層にしてキルティングの縫い目部分をずらすといった対策がとられます。私が買った布団の「プリマロフト使用 デュオ」も2枚を重ねた時は2層構造になるため、薄手と厚手で縫い目の方向が異なっています。

プリマロフトは素材の繊維自体に撥水性があり、湿気を含んだ状態でも保温性能が落ちにくいのが特徴です。羽毛のようなボリュームは不要で、保温力に対してかさは少なくてすみます。その上でプリマロフトには羽毛のように柔軟性があり、身体にふわりとフィットするのも人工ダウンとして支持されるポイントになっています。化繊の中綿はプリマロフト以外にもたくさんありますが、ふわっとしていて柔軟性が特に高い点がプリマロフトの特徴です。

掛け布団の「プリマロフト使用 デュオ」の場合も、使用感は羽毛布団とほとんど変わりません。かさは羽毛の半分程度で一定ですが、羽毛布団と同じぐらい軽量で、身体に掛けると羽毛のようにふわりと身体にフィットして、すぐにポカポカとした暖かさが感じられます。

プリマロフトの特徴
掛け布団「プリマロフト使用 デュオ」の特徴

これまで使っていた羽毛布団からプリマロフトの布団に切り替えて良かったのは、真冬の足先の寒さがなくなったことです。これまでは羽毛の偏りが解消できず、布団の端の羽毛が薄いせいで暖かくなくて、足先が寒く感じられ入眠しづらいと感じることが多かったのですが、プリマロフトの布団は裸足のままで足先がポカポカと感じられるようになって、これだけでも替えて良かったと思いました。

もうひとつ、私が想定しておらず良い点だと思ったのは「ニオイが無くなった」ことです。今まで使っていた羽毛布団はけっこう羽毛の動物的なニオイがしていたのだなと、布団を切り替えて気が付きました。ニオイを不快に感じていたわけではないのですが、勝手に「寝具全体と汗や体臭が合わさったニオイ」だと勘違いしていたところが、実は羽毛特有のニオイだったというわけです。寝室に入るとムワっと臭っていたので、無くなってみると「無いにこしたことはない」というのが素直が感想です。

構造上、羽毛のような吹き出し(抜け毛)が出ないことも、細かい点ですが長く使う上では良いと思いました。掛け布団カバーを防ダニ仕様など目地の細かいものにすれば外に出てくる羽毛は少なくなりますが、カバーの中に溜まりますし、カバーを洗濯しようとして外すとけっこうな量が一気に出てきます。洗濯もプリマロフトの布団は家庭用の洗濯機で洗えますし、保温力や柔軟性だけでなく、無臭、抜け毛なしと、化学繊維ならではの気楽さも魅力になっています。

羽毛布団と比べるとかさ高は半分ぐらいですが、しっかりと暖かいです

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