立憲民主党は29日の衆院予算委員会で、自民党派閥をめぐる裏金事件で秘書が立件された自民党の二階俊博元幹事長(84)を参考人招致するよう求めた。
二階氏をめぐっては、政党が政治家に支出し、使途を明かさなくてもいい「政策活動費」が、幹事長時代の5年間に50億円近くが支出されていたことが明らかになっており、立民はこの問題を厳しく追及。山井和則衆院議員は「二階事務所の秘書も立件されている。巨額の50億を超える政活費、脱税の可能性があるのではないか。さまざまな深刻な問題をはらんでいる」とした上で、予算委員会への参考人招致を求めた。
これに先立ち、同党の階猛衆院議員は「政策活動費を1人の議員に50億円も渡せば、使い残しで蓄財し、脱税している可能性も高いように思う。しっかり調査して国会に報告してほしい」と指摘。これに対し、岸田文雄首相は「政治活動のために支出した経費を差し引いた後、残高が生じていた場合は確定申告の必要があるのはその通り。私自身も支給された政策活動費は全額政治活動に当てている」と述べたが、階氏は「総理のことは聞いていない。二階さんのように50億円以上、こんな金額をどうやって使うのか。やましいことがないなら速やかに使途を公表すれば疑惑は晴れる。関係する議員については全部調べて、公表して欲しい」と情報公開を求めた。
使途が明かされない「政策活動費」については、野党から廃止を求める声が強まっている。しかし岸田首相は「政治活動の自由と国民の知る権利とのバランスの中で議論が行われ、今の扱いになった。各党、各会派は、全国会議員が共通のルールで内容を明らかにする取り組みが必要だ」と述べるにとどめた。
階氏は「政治活動の自由にも、ほどがある。バランスは取れていない。50億なんて1人の政治家に渡し、しかもまったく使い道を明らかにしないでいいというのは常識外れだ」と指摘し、廃止するよう求めたが、首相は「政治活動の自由と国民の知る権利のバランスを考えることが重要」という答弁を何度も繰り返し、廃止は明言しなかった。
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