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Wednesday, January 24, 2024

「結婚前の嘘」はどうやって見抜く?見抜けない自分が悪いの? - 読売新聞オンライン

「結婚前の (うそ) 、どうやって見抜く?」 と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんが気になっているのは、「世の中には結婚するために嘘をつく人がいる。そういった嘘はどうやって見抜くのか」というテーマ。結婚前に嘘を見抜けなかったら「自分が悪い」と諦めるのか、それとも皆「この人になら嘘をつかれてもいい」と思った人と結婚しているのか、と読者に問いかけています。

トピ主さんは「男女問わず、結婚前に嘘つく人っていますよね」と前置きしたうえで、“結婚前の嘘”について、以下のような具体例を挙げています。

(1)「結婚したら俺も家事育児やるよ」と言いながら、結婚したら一切やらない

(2)「結婚しても、私も正社員で共働きするからね」と言いながら、結婚したら無断で仕事を辞めて専業主婦になる

(3)「親と同居はしない」と結婚前に言いながら、結婚後にある日突然、義両親が引っ越してくる

このようなことが起きれば、確かに「話が違う」と思ってしまいそうですね。トピ主さんが今どういった状況にあるのかは書かれていませんが、「後から『話が違う』と思ってしまうような結婚はしたくない」と思っていることは、文面から伝わってきます。

今回、まず考えなくてはならないのは、「目標」と「実現できること」は必ずしも一致しない、ということです。たとえば(1)や(2)のケースで、家事や育児をやる意欲は本当にあったけど、実際には時間や体力がなく実行できていない、共働きをするつもりだったけれど、条件の合う正社員の職場が見つからずに実現できなかった、といったケースはあることでしょう。(3)にしても、本人はそのつもりはなかったのに義両親に押し切られてしまった、といったケースもあるだろうと推測できます。

「最初から口先だけだった」場合だけでなく、「意欲はあるのに実現できない」というものも“結婚前の嘘”とするのであれば、結婚前に厳密な契約書を交わすくらいしか、防ぐ手立てはないと思います。結婚前に「こういう条件下で結婚します、条件が違った場合は〇〇します」といった取り決めを書面で交わしておけば、形式上、 反故(ほご) にはできない約束になります。合理的な考え方をするカップルであれば、この方法も考えてみるとよいと思います。

ただ、結婚生活は、勤めている会社の状況、社会・経済の変化、災害や病気など、自分たち以外の環境からも影響を受けます。起こりうる事態を予想して、「こういう変化は許容できます、こういう状況になったら結婚生活は続けられません」と決めておいたとしても、「イレギュラーな事態は必ず起こる」という前提で考えておく必要はあるでしょう。

結婚相手に対して「必ず実現できることを約束してほしい」と思うのであれば、普段の行動姿勢を中心に、経験値や価値観を含めて実現可能かを判断する、というのは一つの方法です。

たとえば(1)。本人が「結婚したら家事育児をやる」と言っていても、自炊や自活をした経験がなく、恋人に家事をやってもらいたがる、家に恋人が来てもお茶ひとつ入れようとしない、座ってサーブされるのを待っていることが多い……といった姿を見れば、発言の信頼性は高くないだろうと推測できそうです。

(2)にしても、職場の愚痴ばかり言っている、仕事に対する責任感が薄い、扶養されることに抵抗感がない、といった普段の様子や言動を総合して考えていけば、「基本的にはあまり働きたくない人なのかもしれない」といった仮説が成り立ちます。(3)の場合も、相手の性格や親との力関係を総合的に見ていけば、「何かあれば義両親に押し切られそうだな」といった予想もできるのではないでしょうか。

言ったことを必ず守る性格かどうか、発言と行動がどれくらい一致しているかについては、人によってかなりバラツキがあります。交際中に「この人の言っていることはある程度、信じられそうだな」と思えるかどうかも、結婚の決め手の一つに含めておくと良いかもしれません。

「誰かと一緒に生きていこう」と思うならば、良くも悪くも相手に影響を受ける(振り回される)可能性は許容しなければならないでしょう。それが喜びや幸せ、楽しみにつながることもあるので、一概に悪いことではないと思います。自分の思い通りにならないことをうまく処理し、マネージする力量を磨くことは、結婚生活において「良いこと」が「悪いこと」を上回る状況を作る 秘訣(ひけつ) と言えるかもしれません。

最後に、「この人になら嘘をつかれてもいい」と思って結婚するのか、という質問について。最初から相手に (だま) される前提で結婚を決める人は、少数のように思います。パートナーとして信頼を置けるか、「この人となら何かあっても一緒に乗り越えていけるだろう」と思えるかどうか、といった点を重視する人のほうがはるかに多いのではないでしょうか。

仮に相手に嘘をつかれても、自分は何らあらがえず、それを受け入れるだけの無力な存在ではないはずです。そして結婚も、一度結んだら永遠に破棄できない契約ではありません。結婚前の時点で信頼できる相手を選ぶことは大前提として、「万が一、許容し難い嘘をつかれても、自分はこう決心して動けるから大丈夫だ」という自分の底力を信じていれば、相手の嘘を過度に恐れる必要はない気がします。

「人を見る目に自信がない」ということならば、結婚を決める前に信頼できる家族や友人に相手に会ってもらい、率直な意見や助言をもらうのも有効な方法かと思います。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)

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