「結婚前の
トピ主さんは「男女問わず、結婚前に嘘つく人っていますよね」と前置きしたうえで、“結婚前の嘘”について、以下のような具体例を挙げています。
(1)「結婚したら俺も家事育児やるよ」と言いながら、結婚したら一切やらない
(2)「結婚しても、私も正社員で共働きするからね」と言いながら、結婚したら無断で仕事を辞めて専業主婦になる
(3)「親と同居はしない」と結婚前に言いながら、結婚後にある日突然、義両親が引っ越してくる
このようなことが起きれば、確かに「話が違う」と思ってしまいそうですね。トピ主さんが今どういった状況にあるのかは書かれていませんが、「後から『話が違う』と思ってしまうような結婚はしたくない」と思っていることは、文面から伝わってきます。
今回、まず考えなくてはならないのは、「目標」と「実現できること」は必ずしも一致しない、ということです。たとえば(1)や(2)のケースで、家事や育児をやる意欲は本当にあったけど、実際には時間や体力がなく実行できていない、共働きをするつもりだったけれど、条件の合う正社員の職場が見つからずに実現できなかった、といったケースはあることでしょう。(3)にしても、本人はそのつもりはなかったのに義両親に押し切られてしまった、といったケースもあるだろうと推測できます。
「最初から口先だけだった」場合だけでなく、「意欲はあるのに実現できない」というものも“結婚前の嘘”とするのであれば、結婚前に厳密な契約書を交わすくらいしか、防ぐ手立てはないと思います。結婚前に「こういう条件下で結婚します、条件が違った場合は〇〇します」といった取り決めを書面で交わしておけば、形式上、
ただ、結婚生活は、勤めている会社の状況、社会・経済の変化、災害や病気など、自分たち以外の環境からも影響を受けます。起こりうる事態を予想して、「こういう変化は許容できます、こういう状況になったら結婚生活は続けられません」と決めておいたとしても、「イレギュラーな事態は必ず起こる」という前提で考えておく必要はあるでしょう。
結婚相手に対して「必ず実現できることを約束してほしい」と思うのであれば、普段の行動姿勢を中心に、経験値や価値観を含めて実現可能かを判断する、というのは一つの方法です。
たとえば(1)。本人が「結婚したら家事育児をやる」と言っていても、自炊や自活をした経験がなく、恋人に家事をやってもらいたがる、家に恋人が来てもお茶ひとつ入れようとしない、座ってサーブされるのを待っていることが多い……といった姿を見れば、発言の信頼性は高くないだろうと推測できそうです。
(2)にしても、職場の愚痴ばかり言っている、仕事に対する責任感が薄い、扶養されることに抵抗感がない、といった普段の様子や言動を総合して考えていけば、「基本的にはあまり働きたくない人なのかもしれない」といった仮説が成り立ちます。(3)の場合も、相手の性格や親との力関係を総合的に見ていけば、「何かあれば義両親に押し切られそうだな」といった予想もできるのではないでしょうか。
言ったことを必ず守る性格かどうか、発言と行動がどれくらい一致しているかについては、人によってかなりバラツキがあります。交際中に「この人の言っていることはある程度、信じられそうだな」と思えるかどうかも、結婚の決め手の一つに含めておくと良いかもしれません。
「誰かと一緒に生きていこう」と思うならば、良くも悪くも相手に影響を受ける(振り回される)可能性は許容しなければならないでしょう。それが喜びや幸せ、楽しみにつながることもあるので、一概に悪いことではないと思います。自分の思い通りにならないことをうまく処理し、マネージする力量を磨くことは、結婚生活において「良いこと」が「悪いこと」を上回る状況を作る
最後に、「この人になら嘘をつかれてもいい」と思って結婚するのか、という質問について。最初から相手に
仮に相手に嘘をつかれても、自分は何らあらがえず、それを受け入れるだけの無力な存在ではないはずです。そして結婚も、一度結んだら永遠に破棄できない契約ではありません。結婚前の時点で信頼できる相手を選ぶことは大前提として、「万が一、許容し難い嘘をつかれても、自分はこう決心して動けるから大丈夫だ」という自分の底力を信じていれば、相手の嘘を過度に恐れる必要はない気がします。
「人を見る目に自信がない」ということならば、結婚を決める前に信頼できる家族や友人に相手に会ってもらい、率直な意見や助言をもらうのも有効な方法かと思います。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)
からの記事と詳細 ( 「結婚前の嘘」はどうやって見抜く?見抜けない自分が悪いの? - 読売新聞オンライン )
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