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Wednesday, May 10, 2023

サケ稚魚って いつどうやって海にいくの? 豊平川の稚魚を調べてみた - nhk.or.jp

秋は海からサケが帰ってくる「おかえりなさい」の季節。いっぽう春は稚魚たちが海に向かう「いってらっしゃい」の季節です。でも、いつ、どうやって、海に向かっているのか気になりませんか?
放送:5月11日(木)午前11時45分~ 総合テレビ ひるナマ!北海道 「北のサケお兄さんコーナー」

サケ稚魚 探してみて

川の底、砂利の中でふ化したサケ稚魚たちは、春になると砂利から出てきて水中を泳ぎ始めます。体長は3.5センチほど。秋の親ザケは、橋の上からでもわかりますが、さすがに稚魚は簡単には見つけられません。
でも、岸際を丹念に探していくと、サケ稚魚たちを見つけることができます。
サケ稚魚がいるのは、水面の葉っぱや茎の下だったり、流れが岸のでっぱりにぶつかって巻き返している場所だったり、身を隠すことができ、無理なく泳げる場所です。

「こういう場所にいるのではないか」と、推理しながらサケ稚魚を探し出すのは、宝探しのような面白さがあります。

一生懸命食べているのだけど…

見つけたサケ稚魚たちをじっと観察していると、水面や水中で口をパクパク動かしているのがわかります。すでにお腹の栄養袋(イクラの一部)は使い切っているので、食べものをどんどん口にしているんです。

ただ、よくみると、いちど口にしたものを吐き出している場合もあることがわかります。手当たり次第に「食べ物のようなもの」を口にして、ハズレは吐き出しているんです。

試しに1匹の稚魚のお食事を20秒間観察したところ、口に何かをいれたのは3回、そのうち吐き出したのは2回。「食べ物」を食べることができたのは、3回に1回でした。まわりにはライバルのほかのサケ稚魚たちもいるし、食べていくのは簡単ではないようです。

サケ稚魚はいつ海にいくのか 調べています

豊平川のサケ稚魚は、いつ、海に向かっているのか、調べている人たちがいます。札幌市豊平川さけ科学館と市民グループの札幌ワイルドサーモンプロジェクト(SWSP)のメンバーたちです。

調査は、毎年、決まった場所で、決まった時間だけ網を入れて、網に入ったサケ稚魚の数を数えていきます。ことしも2月下旬から、週に1回のペースで調査をしています。

引き上げた網の中身をバットに広げて、草やらゴミやらの中から、サケ稚魚が見つかった瞬間には、普段からサケに接しているメンバーたちの間からも、喜びの声があがります。
2016年から続くこの調査は、過去には24時間や32時間連続でも行われました。こうした積み重ねの結果、豊平川のサケ稚魚たちが海に向かうのは、

3月下旬から4月下旬の夕方から夜にかけて

とわかりました。

雪解け増水の流れにのって、夜陰に乗じて海に向かっているのです。

サケ稚魚はどっちを向いている?

サケ稚魚はどっちを向いて海へ下っていくのでしょうか。雪解け水のちょっと強い流れを見ていると、流れに抗いながら、少しずつ流されていくのではないかと思ってしまいます。

長年サケを研究している研究者に「下流を向いて下るんですよ」と教えてもらったものの、そんな「前向きな降下」をぜひ見てみたい!と、調査地点の浅瀬の真ん中に三脚をたてて、真正直に撮影してみました。すると…。

下を向いて泳いでいる!

日暮から1時間後、30分ずつ、3回にわけてとった動画を、スローで再生しながら画面の隅々まで観察して、見つけました! 

確かにサケ稚魚は、川下に向かって、つまり海に向かって、泳いでいました。

圧の強い流れに、流されのではなく、むしろ泳ぎ切ろうとする生命力。サケ稚魚の野生の力を感じます。いってらっしゃい!サケ稚魚たち。
※増水時期のサケ稚魚探しは、安全を十分に確保してお願いします。

北のサケお兄さん
ひるナマ!北海道で放送中

Vo1.1
札幌 テレビ塔横の創成川でサケ稚魚誕生! サケと人の"協働作業"

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